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創業計画書の書き方

この記事の内容
  1. 創業計画書は、何のために書くのか
  2. 書く欄は、大きく何があるのか
  3. 創業の動機は、何をどこまで書けばいいのか
    1. 記入例(Web制作を一人で始める場合)
  4. 経営者の略歴は、職歴の羅列ではだめなのか
  5. 必要な資金と調達方法は、どう書けば数字が合うのか
    1. 計算例:Web制作を一人で始める場合の資金表
  6. 事業の見通しは、月平均の数字をどう作るのか
    1. 計算例:事業の見通し(月平均)
  7. 面談で、どこを聞かれやすいのか
  8. 緊張して書けないときは
  9. チェックリスト:提出の前に確かめること
  10. 次にやること

日本政策金融公庫(以下、公庫)に創業融資を申し込む人が、創業計画書の「どの欄に何を書くか」で迷わないための記事です。 結論から言うと、書く内容は4つの柱に整理できます。動機、経歴、必要な資金、収支の見通しです。 この記事では、各欄で見られる点と、そのまま真似できる記入例を出します。

先に結論を置きます。 - 創業計画書は「事業の説明書」ではなく、面談で自分の言葉で説明するための下書き - 欄ごとに「根拠を1つ添える」だけで、読む側の印象は変わる - 数字は、月平均の収支と、資金の内訳が合っていることが一番大事

つまり、きれいな文章より「数字と理由がつながっているか」を見られます。

創業計画書は、何のために書くのか

公庫の創業計画書は、面談にかかる時間を短縮するために使われる書類です。 公庫の創業計画書(記入例)の冒頭に「この書類は、ご面談にかかる時間を短縮するために利用させていただきます」と書かれています(日本政策金融公庫「創業計画書 記入例」、2026年10月確認)。

審査の場では、書類に書いた内容について質問が来ます。 そのとき、書いた本人が「なぜその金額か」「なぜその場所か」を説明できるかが見られます。 だから、書く前に頭の中で整理しておくことが、そのまま面談の準備になります。

書式は、公庫の公式サイトからダウンロードできます。 書式の注意書きには、この書類の代わりに自分で作成した計画書を提出してもよいという趣旨の案内もあります(公庫の創業計画書の注意書き、2026年10月確認。注意書きの一字一句までは照合していません)。 ただ、初めてなら公式の様式に沿うのが一番迷いません。 書式は年度で更新されることがあるので、最新版を公庫のサイトで取ってください。【各自確認:最新の書式の版と欄の並び順。公庫サイトの「各種書式ダウンロード」で、申込の直前に確認】

書く欄は、大きく何があるのか

公庫の書式とガイドで説明されている主な項目は、次のとおりです(2026年10月確認)。

  • 創業の動機:きっかけ、目的、準備の度合い、立地を選んだ理由など
  • 経営者の略歴等:担当業務、役職、身につけた技能、経営経験の有無
  • 取扱商品・サービス:何を、誰に売るか
  • 取引先・取引条件:販売先、仕入先と、入金や支払のタイミングなどの取引形態
  • 従業員:雇う予定の人数(3か月以上続けて雇う予定の人)
  • 必要な資金と調達方法:いくら要り、どう賄うか
  • 事業の見通し:売上・原価・経費の月平均と、その根拠

欄の名前や順番は、版によって少し違うことがあります。 上の一覧は「こういう内容が問われる」という地図として使ってください。

創業の動機は、何をどこまで書けばいいのか

動機欄は、感動的な物語を書く場所ではありません。 公庫の資料では、創業への準備度合い、支援者の協力、経営方針、立地選定理由などを具体的に書くよう示されています(日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」「創業の手引」、2026年10月確認。どちらの資料の記述かまでは特定できていません)。

書き方は3段に分けると楽です。

  1. きっかけ:何がきっかけで、この事業を考えたか
  2. 準備:いつから、何をしてきたか(勉強、副業、顧客候補への聞き取りなど)
  3. これから:どんな方針で、どこで始めるか

記入例(Web制作を一人で始める場合)

前職でWeb制作の窓口を5年担当し、小規模店舗から
「安く、続けて相談できる制作会社がない」と
何度も聞いたことがきっかけです。

退職前の1年間は、副業で月1〜2件の制作を受け、
延べ6社の運用を続けています。

自宅の一室を事務所とし、まず前職で付き合いのあった
地域の店舗向けに、制作と月次の更新代行を提供します。

※この記入例は、読者が自分の状況に置き換えるための仮の文面です。実在の事例ではありません。

ポイントは、「5年」「6社」のように数字を入れることです。 数字があると、読む側は「本当にやってきた人だ」と判断しやすくなります。

経営者の略歴は、職歴の羅列ではだめなのか

勤務先の名前だけを並べると、事業との関係が見えません。 公庫の創業計画書セルフチェックでは、「勤務先名だけではなく、担当業務や役職、身につけた技能等についても記載してください」と案内されています(日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」、2026年10月確認)。

書くときの軸は1つです。「これから始める事業に、どの経験が使えるか」。

  • 関係の深い経験:年数と具体的な担当を書く
  • 関係の薄い経験:1行で済ませる
  • 資格・実績:事業に関わるものだけ書く

経験が浅い場合は、隠さずに書きます。 そのうえで、準備でどう補ったか(副業、研修、先輩経営者への相談)を動機欄や自由記述欄で補います。

必要な資金と調達方法は、どう書けば数字が合うのか

この欄は、左側の「必要な資金」と、右側の「調達方法」の合計を合わせて書きます。 公庫のセルフチェックの記入例も、左右の合計が同じ700万円になっています(設備資金600万円+運転資金100万円、自己資金100万円+公庫借入600万円。日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」、2026年10月確認)。 左と右が合っていないと、どこかの数字が抜けているということです。

必要な資金は、2つに分けて考えます。 - 設備資金:パソコン、機器、内装など、形に残るもの - 運転資金:売上が立つまでの経費、仕入、生活費の一部など、毎月出ていくもの

公庫のセルフチェックの記入例は、設備資金を見積先ごとに金額を分けて書いています。 確認項目にも「見積金額が適切か、相場を調べたり、相見積もりを取得するなどして、検証していますか?」とあります(日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」、2026年10月確認)。 また、インターネット申込の案内では、見積書は設備資金を申し込む場合に準備するものとされています(公庫「インターネット申込」、2026年10月確認)。 見積書は、書く前に取っておくと金額に説得力が出ます。

計算例:Web制作を一人で始める場合の資金表

前提(すべて仮置きの数字です): - 設備:パソコンと周辺機器で60万円(見積書あり) - 運転資金:売上が安定するまでの数か月分の経費と生活費の一部として340万円 - 自己資金:100万円 - 借入希望額:300万円

必要な資金 金額 調達方法 金額
設備資金 60万円 自己資金 100万円
運転資金 340万円 公庫からの借入 300万円
合計 400万円 合計 400万円

左右とも400万円で一致しています。 運転資金の340万円は、「何か月分の何の経費か」を一言添えておくと、面談で聞かれても答えられます。

自己資金が、どう貯まったかを説明できる準備については、別の記事(創業融資の自己資金はどこまで認められるか)で書いています。

事業の見通しは、月平均の数字をどう作るのか

この欄は、売上高、売上原価、経費、利益を「月平均」で書きます。 そして、その数字がどこから出たかの根拠も一緒に書きます。公庫のセルフチェックにも「計算された根拠をご記入ください」とあります(日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」、2026年10月確認)。

売上の根拠は「単価 × 件数(または客数)」に分けると作りやすくなります。 借入の支払利息は、「借入金 × 年利率 ÷ 12か月」で計算する方法が公庫の記入例に示されています(記入例は「600万円×2.0%÷12ヶ月=1万円(概算で1万円で計上)」。日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」、2026年10月確認)。

計算例:事業の見通し(月平均)

前提(すべて仮置き): - 制作1件あたりの単価:20万円 - 月の受注:3件 - 売上原価:外注費として売上の20% - 経費:ソフト・通信・交通・広告など月8万円(自宅を事務所とし、家賃はなし) - 借入:300万円、年利2.5%と仮置き(実際の金利は公庫で確認)

項目 計算 月平均
売上高 20万円 × 3件 60万円
売上原価 60万円 × 20% 12万円
経費(その他) 月8万円 8万円
支払利息 300万円 × 2.5% ÷ 12か月 6,250円
利益(税引前) 60万円 − 12万円 − 8万円 − 6,250円 393,750円

最後の利益は、393,750円です。 ただし、この利益から、返済の元本、税金、社会保険料、自分の生活費を出します。 だから、「利益が出るか」だけでなく「借入の返済を、毎月の利益から払えるか」も合わせて確認してください。

注意:「月3件」の根拠が弱いと、全体が崩れます。 副業の実績、見込み客の数、前職の取引先など、根拠になる事実を1行ずつ添えます。

面談で、どこを聞かれやすいのか

公庫の案内では、面談で「資金のお使いみちや事業計画などについてお話を伺います」とされています(日本政策金融公庫「創業予定の方」、2026年10月確認)。 書いた内容は、そこで踏み込んで聞かれると考えて準備します。

聞かれやすい点を、先に答えを用意しておくと落ち着けます。 - なぜ、この事業をやるのか(動機と経歴のつながり) - 売上の見込みは、何を根拠にしているのか - 自己資金は、どうやって貯めたのか - 借りたお金は、何にいくら使うのか - 計画どおりにいかなかったとき、どうするのか

最後の質問は、答えに詰まりやすい点です。 「売上が計画の7割だったら、経費のどこを削るか」を、1つだけでも考えておきます。

緊張して書けないときは

書けないのは、能力が足りないからではありません。 事業をこれから始める人は、見えない未来の数字を書くことになるので、不安になるのが普通です。

次の順番で、少しずつ進めると進みます。 - まず、数字の欄だけ(資金と収支)を仮で埋める - 次に、数字の理由を一言ずつ書く - 最後に、動機と略歴を書く

公庫は、セルフチェックのページを「創業計画書のブラッシュアップやお申込前の再確認」に使うよう案内し、事前の予約相談でも計画書のブラッシュアップを行っています(日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」、2026年10月確認)。 家族や、事業をしている知人、商工会議所などの相談窓口に見てもらう手もあります。 地域の窓口の対応内容は、各窓口に確認してください。【各自確認:お近くの商工会議所の創業相談の対応内容と費用。その商工会議所の公式サイトか窓口で確認】

チェックリスト:提出の前に確かめること

□ 最新の書式を、公庫のサイトから取ってきた □ 「必要な資金」と「調達方法」の合計が、一致している □ 設備資金に、見積書またはカタログの根拠がある □ 売上は「単価 × 件数」に分けて、根拠を1行書いた □ 支払利息を「借入金 × 年利率 ÷ 12か月」で計算した □ 月の利益から、借入の返済を払えるか確かめた □ 経歴欄は、事業に使える経験を中心に書いた □ 動機欄に、数字(年数・件数・社数)を1つ以上入れた □ 自己資金の貯まり方を、通帳で説明できる □ 面談で聞かれそうな5つの質問に、口で答えられる

全部にチェックが入らなくても、焦らなくて大丈夫です。 入っていない項目が、次にやることのリストになります。

次にやること

今日は、資金の表だけを作ってください。 紙でもメモでもよいので、左に「必要な資金」、右に「調達方法」を書いて、合計を合わせます。

合わないなら、どこかの数字が仮のままです。 その仮の部分が、次に調べるものです。

参考: - 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード」(国民生活事業):https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html - 日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」:https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/sougyouselfchek/ - 日本政策金融公庫「インターネット申込(事業資金)」:https://www.jfc.go.jp/n/service/apply.html - 日本政策金融公庫「創業予定の方」(ご面談):https://www.jfc.go.jp/n/finance/flow/tetsudukij_c.html - 日本政策金融公庫「創業の手引」:https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/pdf/sougyou_tebiki_book_202406.pdf

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会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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